圕(としょかん) |
字義:図書館の3字を1字にまとめて表記したもの。とある。新漢語林には、この文字の読みは書かれていなかった。
解字:会意。囗+書。
3字をまとめたわりには「館」の要素が無いのはちょっと気になる。しかしぱっと見で「図書館っぽいなあ」と思えるこの構成、漢字の面白さが詰まっている。
圕 ‐ 通信用語の基礎知識によれば、この文字は音読みが「としょかん」なのだそうだ。訓読みではないのか? と思ってしまったが、よく考えれば「図書館」という熟語はそれぞれの文字を音読みしたものなので、当然この文字の「トショカン」という読みも音読みなのだ。『全訳 漢辞海 第三版』でも調べたところ、「中国では『tú shū guǎn』と読む」とある。ピンインの読み方はあまり分からないが、やはり「トショカン」が音読みらしい。
また、「通信用語の基礎知識」には
この字は、1925(大正14)年頃に日本で作られた「図書館」を意味する字とする。ともあった。大正時代の日本で中国人が作った国字……。いろいろな方面で面白い文字である。
このため「国字」とされるが、その作者は中華民国時代の支那人「杜定友」である。作者を問わず「日本で作られた字」という条件だけなら、国字だと言える。
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