2016年12月17日土曜日

あいの「影」──影と個性化(オトカドールAct2発表に寄せて)

※この記事は話半分に読んで下さい。わたしはユングの精神分析には詳しくないし、前回の記事のときもオトカはこっちの想像を超えてきたし……


人に情動をもたらす無意識は、ドイツ語でエス(es)またはラテン語でイド(id)と呼ばれる。 
アイディが「空気を読みすぎて自分がない」のは、無意識は「自我」と「超自我」によって統制を受けていることが元ネタなのだろう。 
ルシ子が「自我」、アイディが「無意識」を担当しており、この2人は2人で一人のような存在なのだろう。そしてルシ子とアイディはプレイヤードールとの交流で「超自我」を手に入れ、完全な存在になったのではなかろうか。それが親愛の魔王ルシ子。 
ルシ子が超自我を手に入れ、意識が確立したので夢(ドリーム)から醒め、行動(アクト)が始まるのが7/28からのAct 1なのだろう。
と、「オトカドールのストーリーは“自己の確立”をなぞっているのではないか」というようなことを書いたのだけれど、Act 2のお知らせで「あいの影」というキャラクターが登場したことでこの説がさらに濃厚になった気がする。(とはいえ、es, idはフロイトの用語で影はユングの用語なのだが。まあ自己の心理に関わるという点では同じか。)

シャドウ(影)
シャドウ(影)とは、個人において生きてこなかったもうひとつの側面
であり、意識にとって許容できない自分の暗黒面のこと。ユング,
C.G.の提唱した元型のひとつ。意識において、ある自己イメージが
選択されると、それに対立するイメージは無意識に抑圧される。そして、
生理的に受け付けない人物という形で夢に登場したり、現実の人物
(同性である場合が多い)に投影されたりする。しかしシャドウを否定する
ことは自分自身を否定することであり、潜在的な可能性を捨て去ること
である。自分の中のシャドウと向き合い対決することが、個性化の
第一歩である。

つまり、「影」とは、自分が自分の性格や生き方などを決めたときに、「選べなかった方」のことだ。
明るく生きると決めたなら、「暗い自分」は許容できない。その選ばなかった自分が「影」だ。
その影は"生理的に受け付けない人物という形でに登場したり"するという。

影をどうすればいいのか?

影は消せばいいか? というと、そうではないという。
先の引用に"シャドウを否定することは自分自身を否定することであり、潜在的な可能性を捨て去ることである。自分の中のシャドウと向き合い対決することが、個性化の第一歩である"とある通り、影を否定することは自分自身の一部を否定してしまうことにつながる影と向き合って、それも自分だと認めることで、「個性化」、つまり、自分らしさの確立につながるのだ、と。

影は消してはいけない、向き合って対決して、認めることで自分が確立される──
これを踏まえて動画を見返してみよう。

動画の内容と公式サイトのお知らせを混ぜて、文を整形すると以下のようになる(整形前はこの記事の末尾に置いておきます)。

あいの影「私はここへ来たときにあなたと別れた影。……帰って」
あい「あなたが私? どうなっちゃってるの??」

あい「そうじゃない! ……と思う……」

あい「どうして? どういうこと?」

ヨミ「僕は君の力になる。そのためにここにきた」
あい「ありがとう! でも私、何がなんだかわからないよ~><」

あい「私、このままじゃ、イヤだ!」

あい「そうよね…。私もそう思う。そう感じる!」

アメ「あんたの影は影の世界に帰すよ。大丈夫、お互いそれがいいのさ」
あい「まって、私 ちゃんと会って話をする!」

あい「でも、私このままでいいのかな……」

あい「え? ちょ、ちょっとこんがらがってきた><」


どうだろう。影と対決し、個性化を進めようとしている流れに見えないだろうか。
影を認識したあいは戸惑い、混乱するが、向き合おうともする。「あいの影」はライバルドールとしての登場なので、当然ながら対決をすることになる。自らの影と対決し、勝利し、受け入れ、少女は大人になっていくのだ……。


おまけ:アメとヨミ

アメは「天<アメ>」で「天照大神<アマテラスオオミカミ>」、ヨミは「月読尊<ツクヨミノミコト>」であろう。もしかしたら黄泉とのダブルミーニングかもしれないけど。
スサノオがいないが、あいの影はアメによって追放されようとしているので、あいの影がスサノオ役なのかもしれない。
属性はアメが光、ヨミが風or水、あいの影が闇ですかね。

ヨミの一人称が「僕」なので、アニムス(女性の中の男性的元型)だったりするのだろうか。アメとヨミでアニマ&アニムス?

ミカエルが日本の守護聖人(先代)で、天照大神は言うまでもなく日本神話の主神なので、ミカ子とアメのライバルカードを使えば夢のバトルができますね。ほんとに女児向けゲームなのかこれ?

ミステリアスキャン様もいるので仏教を除く世界三大宗教が既にいて、ここに神道が合わさり最強の女児向けアーケードゲームです。

(2016-12-30追記:アメとヨミについては詳しめに記事を書きました。こちら。)

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資料:動画の文字起こし
「…………。」

あなたが私?
どうなっちゃってるの??
そうじゃない!
…と思う…。
どうして?
どういうこと?

「…………。」

ありがとう!
でも
私何がなんだか
わからないよ~><
私、
このままじゃ、
イヤだ!
そうよね…。
私もそう思う。
そう感じる!

「…………。」

まって、
私ちゃんと会って
話をする!
でも、
私このままで
いいのかな…。
え?
ちょ、ちょっと
こんがらがってきた><

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